オードリー若林さんの「ナナメの夕暮れ」を読んでみた【ネタバレ注意!!】
俺は学校が嫌いだ。
しかし、授業を受けること自体も、時間をかけて通うこと自体も、友達と会って生産性のない馬鹿話をすることも、嫌いなわけではない。
「人が密集してて騒がしい場所」が嫌いなのだ。
中高では、よく原宿に行って服を買ったりクレープを食ったりしていたが、それは「友達と過ごす時間」を楽しいと感じていたのであり、人混みを掻き分けて歩いたり、人の話し声や存在を全身で受け止めたりするのは苦痛だった。
「楽しんでます顔を作ってそんなに仲良くない人たちとするレクリエーション」
「会場の一体感を生むために皆と一緒に歌わなければならないライブ」
嫌いなことを挙げればまだまだキリがないが、こんな感じで「根が陰キャラ」なのだ。
若林さんの「ナナメの夕暮れ」を読もうとしたキッカケは、アメトークの人見知り芸人と女の子苦手の回を視聴した時のことだ。
他の芸人さん達と比べて「拗らせ方」に自分と近いものがあると感じた。
そう。「根が陰キャラ」っぽいのだ。
俺ならこの人の苦しみに共感できる!!
もっと拗らせエピソードが欲しい!!
そう思った俺は気付いたらamazon kindleで購入していたんだ。
【読んでみて】
結論から言うとメチャクチャ共感できたからメチャクチャ面白かった
やはりこの人も「根が陰キャラ」だった
特に、「女の子と一対一でご飯に行ってもクソつまらなかった」の件はすごい分かる
男友達と生産性の無いアホみたいなことをやってる時間が好き過ぎて、それと比べると、、となってしまうのもあるかもしれない。
俺の場合は若林さんとはちょっと違くて、つまらないというより、女の子自体が苦手で興味が無かった。
では、なぜ女の子が苦手なんだろうと考えてみた。
それは、
「お前の根本にあるものはタピオカとInstagramと悪口が好きなアイツらと一緒なんだろ」
という独自の偏見で、女の子全員を一括りにして卑下し、理解しようとしないので当然興味が湧かず、その結果喋っててもつまらなくなっていたからだと最近になってようやく気付いた。
それからは女の子と話してても、
「1人の「ニンゲン」という動物と話してるんだ。だから価値観や行動様式はそれぞれ違うだろう」と考えるようにしてみた。
そうすると面白いことに、自然と興味が湧き、相手の情報をもっと知りたいと思うようになった。表面にあるものは割と皆同じような気はしたが、底にあるものは各々全く違った。今ではもう苦手意識は大分無くなってきている。(勿論、合う合わないはある)
今まで「カスフィルター」に通して苦手だと思っていたことでも、興味を持ってやってみたら意外と面白かったってことが山ほどありそうだ。
これからは斜に構えず何でもやってみようと思えた。
若林さんが、様々な自意識が付きまとって生きにくいと感じていたのはそれほど繊細だったんだなとも思う。
捻くれは直せるが繊細は直せない。繊細というのは性質でありこれは生まれ持ったものだからだ。まずは繊細な自分と生きにくいと感じる社会の仕組みを理解することが結果的に自分を楽にすることに繋がるんだとこの本は教えてくれた気がする。